WEBサイトには大きくわけてBtoCサイトとBtoBサイトの2つがあります。BtoC の企業が運営するWEBサイトは、その重要性を認識し、クライアントを意識したサイト作りがされておりWEBサイトから製品・サービス情報を入手できるようになっています。BtoBサイトの多くは会社情報や事業内容の紹介にとどまっているものも少なくありません。BtoB企業のWEB担当者の中には、「BtoBのサイトってどのように制作したほうがいいのだろうか」「BtoBのサイトを制作するときに気をつけるべきポイントはなんだろうか」といった疑問をお持ちの方もいるかと思います。
本章ではBtoBサイトの目的や、その役割。来訪者の特徴や制作時に気をつけるポイントなどを解説していきます。これからBtoBサイトのリニューアルを検討される方に少しでもお役に立てればと思います。
CONTENTS
BtoBサイトの目的とその役割
BtoBサイトの目的は、つまるところ顧客の獲得と言えます。自社のWEBサイトに訪れてもらい、どんな会社なのか?どのような事業を行っているのか、どのようなサービスがあるのかなどを知っていただき資料請求や問合せをいただき見込み客を獲得していくことが最大の目的といってもよいでしょう。BtoBサイトの役割は、訪問ユーザーに自社を知ってもらうことです。
総務省が令和5年に発表した「産業横断的集計(事業所に関する集計・企業等に関する 集計)の結果」によると、日本には約360万の企業があり、膨大な企業の中から自社のことを知ってもらうためにはBtoBサイトの存在は不可欠と言えます。
BtoBビジネスの特徴
BtoCビジネスと違い、BtoBビジネスにはどのような特徴があるのでしょうか。この特徴を抑えることでBtoBサイトの制作で注意を払う点も変わってきますので、ここではその特徴について解説していきます。
業務担当者が情報収集を行う
BtoBサイトには、そのサービスや事業内容を知るために業務の担当者によって閲覧される割合が高いと言えます。サービスを探しているのであれば担当者は、関連するキーワードから複数の企業を探し、問い合わせや資料請求を行うことと思います。サイトを見て担当の方に興味を持っていただき、資料請求や問合せにつながるような工夫を行う必要があります。
意思決定は会社が行う
当たり前ですが、BtoCサイトと異なりBtoBのサービスではその決裁権は企業が行います。担当者がまずサービスを探し資料請求等を行い、社内で検討。関連部署のスタッフや管理職の方などにも相談し、サービス提供会社から提案を受け、比較検討。最終的に稟議を上げて部長決済あるいは役員、社長決裁を経て契約となるのが一般的な流れかと思います。社内で検討いただくためには担当に興味を持っていただくのはもちろんのこと、管理職や決裁権者と関係者全員に興味を持っていただき必要性が伝わらないと契約には至らないことでしょう。よって、サービス内容がいかに有益なのか、導入することでどのようなメリットがあるのかなどの興味付けをサイト内で行うことが重要な要素の一つと言えます。
検討から契約までの期間が比較的長い
サービスの内容にもよりますが、情報取集から検討、社内稟議、契約といった一連の流れを経るため、契約までに時間がかかるケースが少なくありません。WEBサイトの制作を例に見ても、3か月~半年程度かかるケースが多く、内容によっては半年以上かかるケースもあります。
BtoBサイト制作での留意点
前述したBtoBビジネスの特徴も踏まえつつ、BtoBサイトを制作するときにはどのような点に注意を払う必要があるでしょうか。
サイトの目的を明確にする
BtoBサイトでの主な目的としては「企業情報紹介」「サービスに対する資料請求・問合せ獲得」「社員採用」などがあげられ、その目的に応じてサイト設計を行う必要があります。
前述したようにBtoBビジネスの特徴は意思決定にかかわる人たちが多く、その時間も比較的長いことにあります。例えば製品・サービス情報を知ってもらいたいのであればサイト来訪者に対して、わかりやすく興味付けのできる内容にする必要があります。
またサービスの内容が知りたいのか、導入事例が知りたいのか、導入後のイメージが知りたいか等、ユーザーが知りたい情報は何なのかをある程度想定し、ユーザーにもたらしたい効果をイメージしながらサイト設計を行う必要があります。
ターゲットを明確にする
ユーザーニーズをベースとしてターゲット設定を行う手法としてペルソナ設定があります。企業におけるペルソナ設定としては「業種や企業規模」「事業内容」「売上高」などがユーザーニーズを比較的推測しやすく、ユーザー行動も想定しやすい指標と言えます。
BtoBのサイト制作においては、具体的なターゲットを明確にしつつ、ターゲットに遡及できるであろう記事やデザインの制作を進めていくことで、ユーザーに対して「自社の課題を解決できるのはこのサービスだ」と思わせられるよう工夫をしていきましょう
自社の強みを明確にする
自社のサービスを紹介していく上で、よく失敗しがちなパターンとしては「なんでもできる」的な記述の仕方で、サイト来訪者からすると選定するポイントが定まらず、何か特化した特徴を打ち出した競合他社が選ばれてしまうというケースです。数ある企業の中から選ばれるためには、何か特徴的な自社の強みを打ち出し目に留まる必要があります。WEB制作会社を例えにした場合、別章「WEB制作会社の選び方と特徴について徹底解説!」でも記載したように、いくつかのタイプに分かれます。切り口を工夫することでマーケット内での自社の強みを明確にし、ユーザーの目に留まる工夫をすることはできます。
初期費用0円!月額5,000円のWEB制作はA社
ブランディングに強いWEB制作はB社
不動産業界に特化したWEB制作はC社
といった具合に、WEB制作という切り口だけでは差別化が図れないものも強みを打ち出すことでそれぞれの特徴が際立ちユーザーからしても、自分たちの求める特徴を持った企業にコンタクトがしやすくなります。
サイト設計はシンプルにする
サイトの構成が複雑な場合、サイト来訪者は目的のコンテンツにたどり着きにくく、如いてはサイト離脱につながってしまいます。サイト来訪者はなるべく簡潔にわかりやすい目に留まるコンテンツから情報収集を行いたいと思っています。いろいろなことを伝えたい為に、サイトボリュームが大きくなりすぎてしまい、使い勝手の悪いサイトになってしまうのは本末転倒です。知りたいサービスにたどり着きやすくするためにサイトの改装もせいぜい3階層程度にとどめ、メニューに関しても「総合TOP」「会社概要ページ」「製品・サービスページ」「導入実績紹介」「お問合わせ」とシンプルにすることをお勧めいたします。
コンテンツがどうしても多くなってしまうようなケースではWEB接客ツールを導入するなどしてサイト来訪者を適切なコンテンツへと誘導したり、サイト離脱を防ぐなどの工夫をしてもよいと思います。
弊社ではWEB接客ツールのご提案もさせて頂いておりますので、ご興味のある方は別章「WEB接客ツールとは?メリットや注意点まとめ」をご覧いただければと思います。
BtoBサイトの運用について
BtoBサイト制作での留意点を意識してサイト制作が完了しましたら、次はサイトの運用についても注意を払う必要があります。運用がうまくいかないとせっかく作ったサイトも意味がありませんので、ここではいくつか運用のポイントを紹介して参ります。
情報を継続的に配信する
運用のポイントの一つ目は継続的な情報配信です。定期的に情報を更新したり、あまり古いコンテンツは最新版にリライトしたり、ユーザーニーズに的確に応えるため、新たなコンテンツを追加したりと、思いのほか手間暇がかかりますので予め社内リソースを確保し運用に臨む体制を整えておきましょう。
WEB集客の施策を行う
せっかく作ったサイトも来訪者がいなければ意味を成しません。BtoBサイト運用はBtoCサイト同様に「集客」が重要となります。集客方法としてはキーワードによるオーガニック検索や、自社コラムなどのオウンドメディアによる集客、リスティング広告やSNS広告といったものまで様々です。自社の予算や適性に合った手法で集客を行い顧客開拓を推し進めるのも重要事項の一つと言えます。
効果測定~改善施策を行う
BtoBサイトの運用を開始しましたら定期的にGAなどのツールを利用し効果測定を行いましょう。目的が「反響獲得」であるならばPV数やCV率がどのくらいあるのか確認し、目標としている反響が取れているのか確認し、反応が悪い場合は原因を探り改善策を施し、運用を回す必要があります。この敵的なPDCAサイクルを回すことで、サイトの質を高めていきます。
まとめ
本章ではBtoBサイトの役割と目的から、制作時の留意点、運用について解説させていただきました。
顧客に自社を認知してもらうためBtoBサイトは必須アイテムであり、必要不可欠であり、BtoBサイトの内容と運用如何によって顧客開拓から売上向上へと繋ぐことができると言えます。因みに運用面においてGAをはじめ効果測定を行うにはいくつかのツールを併用して利用するケースも出てくることかと思います。弊社ではSEOツールとして「SEARCH WRITE」というサービスを用いて自社メディアの運用から効果測定を行っています。このツールの良いところはGAやGSと連携することで、「SEARCH WRITE」内で様々な効果測定がわかりやすくできるところにあります。SEO対策をご検討の方は是非参考にしてみてください。