コーポレートサイトの一コンテンツとして「採用情報」が用意されているサイトをよく見かけますが、人材獲得を行うのが難しくなっている昨今、質の高い人材の採用を行うにはクオリティの高い「採用サイト」が必要不可欠と言えます。
・採用サイトに掲載するコンテンツはどのようなものが必要か
・必要な人材にエントリーしてもらうにはどのような工夫が必要か
など疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。求人に関してはリクルートサイトに任せっきりで、思ったような成果がなかなか出せなかったりするケースも少なくないと思います。
本章では採用サイトを制作する目的から制作の進め方、用意するコンテンツについて解説していきます。
採用サイトを制作する目的
採用サイトを制作する時にはコーポレートサイトを制作する時と同様に、目的と役割を考える必要があります。中途採用なのか新卒採用なのか具体的なイメージを描きつつ、どのような人たちに会社のどんな事を知っていただき、応募にまでつなげていきたいかを描く必要があります。就職を考えている人たちに会社の事業内容はもちろんのこと、どのような人たちが働いていて、どんな特色があるのか、できるだけわかりやすく情報を取りまとめて応募したくなるような魅力を発信する必要があります。
コーポレートサイトとの相違点
コーポレートサイトの中に採用コンテンツがあるケースも少なくありませんが、採用サイトを独立させることでターゲットの絞り込みとターゲットに遡及するコンテンツを充実させコーポレートサイトより、より強いメッセージ性を持たせ、求職者目線に立ったメッセージを届けます。「この会社に応募したい」と思っていただくためにどのようなコンテンツを用意するかがポイントになるので、ここがコーポレートサイトと異なるポイントになります。
応募数の増加を期待
求人サイトを利用する場合は見せ方がテンプレートのレイアウトに制限されてしまい、他社との差別化もしにくいという欠点があることに加え、掲載する画像数や文字数なども限定されるので、クライアントに対し自社の良さを伝えるのに限界があります。自社の採用サイトを用意するメリットとしては文字数に制限もなく多くの画像を掲載でき、デザインも自由に行えるためユーザーへの訴求効果の高いサイトに仕上げることができ、如いては応募者数の増加へと繋げることが期待できます。
応募者と会社のミスマッチを防止
採用サイト内で仕事内容や職場の雰囲気、先輩スタッフの声などの詳細情報を掲載していくことで、求職者に就職後の働いている姿をよりイメージしていただき、ミスマッチによる内定辞退や就職後の早期退職を防ぐ効果を狙えます。マーケット全体で人材が減少している傾向は今後も少子化が続く限り好転する要素は少ないため採用活動においてミスマッチを最小限に抑えることは大変有意義と言えます。
採用ブランディング
求職者から「この会社で働いてみたい」と感じてもらうため、自社がどのような会社であるかを発信し、採用強化のためのイメージ戦略である「採用ブランディング」は採用活動を行う上で重要な戦略の一つと言えます。
前述したようにマーケット全体で人材が減少している中で、クオリティの高い人材を採用するためにも「企業理念」「サービス・製品について他社との違いや自社の強み」「社風」などをわかりやすく伝え自社のブランドイメージができあがっていくことで、共鳴する求職者からの採用へとつなげられることと思います。
採用コストの削減と効率化
企業の採用活動には、求人サイトへの広告費用や人事部スタッフの人件費など数多くのコストが発生します。多額の費用をかけ採用活動を行ったがミスマッチによる内定辞退や早期退職者が数多く出てしまうと、それだけ無駄なコストが掛かっていることになります。ここで発生する無駄な作業は採用担当者にも結果として無駄な作業としてのしかかるため、何とか避けたいところです。
採用サイトをうまく活用することは、ミスマッチを防ぐといった採用活動の効率化につながります。
採用サイトにはネガティブな情報も含め、できる限り正しい情報を掲載することで、自社に合わない人物を事前にフィルターにかける効果も狙え、逆に言うと意識の高い求職者に対して採用活動を進めることができるとも言えます。
「脱・求人サイト」を目指す
採用サイトを自社で持っていないケースでは、採用に関して外部の求人サイトを頼らざるを得ません。前述したようにテンプレートベースで、自社の魅力を存分に伝えきれないサイトだけでは採用がしにくい側面もあるため、採用サイトをしっかりと用意することで、そこからエントリーページへの誘導が可能となります。
「脱・求人サイト」を目指す
採用サイトの制作を具体的に進めるにあたっては下記の手順で進めて参りましょう。
採用サイトの目的を決める
採用サイトを制作する目的は先述したように「採用ブランディング」「応募数の増加を期待」「ミスマッチを防ぐ」といった内容の中から自社の課題を踏まえ、採用サイトの最も重要な目的は何なのかを明確にしましょう。
サイトターゲットを明確にする
サイトの目的が決まりましたら、ターゲットに関しても明確にしていきます。中途採用なのか、新卒採用なのか、正社員なのか契約社員なのか、ターゲットの属性により伝えたい内容も自ずと変わってきますので、できるだけ具体的に設定することを心がけましょう。
掲載情報を整理する
サイトの目的とターゲットが決まりましたら、次に掲載内容の整理を行っていきます。
「求職者が知りたい情報」と「自社で伝えたい情報」がミスマッチしているケースもありますので、例えば「
就職みらい研究所」が発表している「『就職白書2023』データ集」などの資料を参照するなどしてミスマッチしないよう掲載する情報を整理しましょう。こうした情報に加え自社の強みや差別化のポイントなどを掲載することで、より自社採用サイトのブランディング化が図れ、採用につながっていくと言えます。
サイトマップ作製
掲載情報が整理されたら、採用サイトの全体像（サイトマップ）を作成し、サイト構造がわかるようにしておきます。このサイトマップを制作しておくことで、制作会社との打ち合わせや実作業がスムーズに進められます。サイトマップの内容としては
採用サイトTOP
企業紹介
企業理念
代表メッセージ
スタッフインタビュー
一日の仕事の流れ
選考基準
待遇、福利厚生
応募について
といった構成が採用サイトでよくみられる掲載内容と言えます。自社の採用サイトにはどこまでのコンテンツを用意するのか、サイトマップの作成時にわかりやすい形でシンプルに作成していくとよいでしょう。
サイトデザインについて
採用サイトのイメージにも直結してくるデザインで、求職者への訴求効果に直結してくるものになります。コーポレートサイトのデザインと統一感を持たせるのか、敢えてイメージを変えてデザインしていくのか、ターゲットへの訴求効果や自社のブランドイメージとの連携を加味しながらデザインの方向性を決めていきましょう。求職者にどのように見られたいか、写真を中心に構成したほうが良いのか、じっくりと読んでもらうコンテンツを用意するのかなど、いろいろ考えながら、とはいえ「シンプルで分かりやすく」をベースにおいて伝わりやすいデザインになるよう作成していくことをお勧めします。
制作会社への発注
採用サイトの制作については、目的や掲載内容、デザインイメージなどの方向性を伝え採用サイトの経験値のある制作会社で作成することをお勧めいたしますが、あくまでも主体となるのは自社であり制作会社は採用活動をサポートするパートナーの位置づけとして、コミュニケーションをとりながら協力し制作を進めていきましょう。
採用サイトに掲載するコンテンツ例
最後に、採用サイトにはどのようなコンテンツを掲載するのが良いか、いくつか例を挙げて紹介していきます。
企業紹介
自社情報や事業内容、沿革などを掲載します。コーポレートサイトにリンクする形ではなく採用サイトのオリジナルとして用意し求職者から親しみを得られるよう写真やコメントなど内容を少し変えて訴求効果を狙ったコンテンツにするとよいでしょう。
企業理念
その企業がどのような理念を持ち、企業運営を行っているのか「経営理念」や「企業理念」は重要な要素の一つと言えます。理念に共感し採用につながるケースは自社にマッチした人材といえますので、こちらもぜひ掲載してみてください。
代表メッセージ
企業理念に近いイメージを持たれるかもしれませんが、こちらは求職者に向けての代表者のメッセージとして、会社経営のビジョンやミッション、採用に対する想いなど伝えることでメッセージに共感を得た人材の採用につなげていくことができます。
見サービス・事業紹介
コーポレートサイトに記載された内容より、かみ砕き解りやすく記載することで、より自社のサービスや取り組みについて理解を深めていくことにつなげていきます。
スタッフインタビュー
先輩社員の紹介や、一日の仕事風景などを掲載することで入社後の仕事のイメージを抱いてもらうことができます。中途採用や新卒採用、職種によってアピールしたい内容が異なる場合は、こちらもバランスよく伝えていくのが効果的です。また女性社員の働きぶりや出産後の働きやすさなども伝えられると女性の求職者に良いイメージを伝えられるのでお勧めです。
研修制度
入社後にどのような研修制度があるか、研修制度がある場合には具体的に表記できると入社後のキャリアアップイメージが描けるため重要なコンテンツの一つと言えます。
福利厚生について
福利厚生の精度も充実している場合には、掲載しましょう。社員がどのような福利厚生サービスを受けられるかは気になるランキングでも高い項目ですので、こちらもしっかりと表記しましょう。
企業が従業員に向けて行うサービスの一種なので、用意している福利厚生は、すべて記載しましょう。
選考の流れ
求職者の応募から入社に至るまでの流れ（書類選考や面接回数、内定までにかかる期間、入社時期など）を記載します。採用企業によっては図を用いてわかりやすく説明している企業もあります。
FAQ
求職者からよく受ける質問とその回答について記載します。FAQに気になる質問や解答や、聞きにくい質問や解答などがあると求職者の心理的なハードルも下がり、応募に進みやすくなります。
自社の強みや差別化となる情報
求職者は競合他社の採用情報も見ているケースが想定されるため、自社独自の強みとなる部分や社内風景や、現場の声など差別化できる情報が掲載できると訴求効果が強まると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本章では採用サイトを制作する目的からサイト制作の進め方、掲載するコンテンツ例などを解説させていただきました。採用競争が厳しくなる昨今、自社で採用したい人材の確保には外部の求人サイトに頼るだけではなく求職者に遡及できる採用サイトの活用が不可欠となります。採用サイトを制作するにあたっては目的をしっかりと捉え、掲載するコンテンツを吟味し訴求効果の高いサイトになるよう制作会社と協力して制作を進めていただければと思います。弊社でも採用サイトの制作は行っておりますのでご検討中の方はこの機会に是非お問い合わせください。
