企業ブランドストーリーの重要性とは?ブランドストーリーの意味や作り方を徹底解説!ブランディングする上で欠かせないブランドストーリーを活用して、自社の知名度や価値を高めましょう。
CONTENTS
ブランドストーリーの意味
ブランドストーリーとは何なのか、普段何気なく使っている「ブランド」という言葉の意味をご存じでしょうか。順番に解説していきます。
ブランドストーリーとは
ブランドストーリーとは、自社のブランド価値を伝えるコンテンツです。単純に設立当初のの秘話などを掲載することではありません。ブランディングの一環で、ブランドのコンセプトや価値観を共有するストーリーのことです。
一般的には、企業(ブランド)が誕生した歴史や考え方などを魅力として、物語として訴求します。商品という「点」ではなく、企業がその商品にどのような思いがあるのか、ブランドストーリーの活用で「線」で思考した時に、興味や購買意欲がさらに高まる可能性があります。
ブランドとは
そもそも、ブランドと何なのか。ブランディングとは何なのか考えてみましょう。
ブランドとは企業の価値を示しています。価値が高いとユーザーが高い対価を支払っても欲しいと感じます。価値があるブランドの時、例えば市場平均2,000円商品を3,000円でも購入してもらえることがほとんどです。ユーザーがその差額分ブランドの価値を理解しているからです。1,000円の差額がブランド価値と呼ばれ、競合他社との価格競争から脱却するための重要なポイントです。昨今の原価高騰・物価上昇にも対応ができます。
ブランディングとは
ブランディングとは、企業自体もしくは自社製品そのもののブランド構築するための取り組みのことです。自社ブランドを確立し、競合との差別化、ユーザーとの共通認識をもつための戦略です。ブランドストーリーもブランディングの一環です。
ブランディングが成功すると、ユーザーからのイメージが確立され、商品選びの時に一候補になる可能性が高くなります。集客や販促、広報活動において必要不可欠になります。
ブランド価値を理解しよう
ブランドストーリーを作成する前にブランド価値について理解をしておくと、自社の価値を理解しやすくブランドストーリーを作成しやすくなります。
ブランド価値は以下の4つに分類されます。
・機能的価値
・情緒的価値
・自己表現的価値
・社会的価値
これらの価値を理解した上で、ブランドストーリーを作成しましょう。順番に解説していきます。
機能的価値
商品やサービスそのものが有する基本的な機能の価値のことです。
食べ物であれば「味のおいしさ」、椅子であれば「座り心地良さ」または「腰への負担の少なさ」などが「機能的価値」です。
ブランドの価値を高めるためには必要な要素ですが、機能的価値のみでは競合他社との差別化が難しいです。近年では様々な商品が流通しており、機能的価値だけでは競合他社に真似をされてしまったり、似ている機能がもう既にあったりするからです。
必要不可欠な要素といって間違いはないですが、武器としては弱くなってしまいます。
情緒的価値
ブランドの印象やイメージよって受ける価値のことです。
商品を購入する際に、機能的価値に大きな違いがない時「好きなブランドだから」「信頼できるブランドだから」という理由で決断したこともあるでしょう。
情緒的価値が高いブランドは人々の感情を動かすことができ、競合他社との差別化もできるようになります。また、ファンが増え安定するブランドになれるでしょう。
自己表現価値
ユーザーがブランドを所持することで、自身の価値観やイメージするスタイルを表現できる価値のことです。
「ハイブランドファッションを身に付ける」「カフェでスタイリッシュなノートパソコンを使用する」といった自身のイメージの具現化や自分自身の価値観を高めるために、自己表現的価値の高いブラン所持するのです。
自己表現的価値が高いということは、ユーザー自身の価値観を表現しやすいという認識なので、ブランドとユーザーの絆は固く結ばれやすいです。また、ブランドの成長にも繋がりやすいです。
社会的価値
ブランド価値の社会的価値とは、あるブランドが社会や社会的課題に対してどのような影響を与え、どのような価値を提供するかを指します。これは、ブランドが製品やサービスの提供だけでなく、社会的責任を果たし、持続可能な取り組みや社会貢献活動を行うことによって生み出されます。
ブランド価値の社会的価値は、以下のような要素によって形成されます。
1.持続可能性への取り組み
ブランドが環境保護や社会的責任に焦点を当て、持続可能なビジネス実践を行っている場合、消費者はそのブランドに対してより好意的なイメージを持ちます。例えば、再生可能エネルギーの使用、廃棄物の削減、公正な労働条件の確保などが挙げられます。
2.社会貢献活動
ブランドが慈善活動や社会的な支援プログラムを実施することで、社会に対してプラスの影響を与えることができます。これにより、消費者はそのブランドを支持し、より良いイメージを持つ傾向があります。
3.透明性と誠実さ
ブランドが透明性を重視し、製品やサービスの提供において誠実である場合、消費者は信頼を寄せやすくなります。逆に、不透明で不誠実なブランドは信用を失う可能性があります。
4.社会的問題への積極的なアプローチ
ブランドが特定の社会的問題に関心を持ち、それに対処するための積極的なアプローチを取る場合、消費者はそのブランドに対してより強い共感を抱くことがあります。例えば、性別平等、人権、貧困削減などの社会的な問題に対する取り組みが挙げられます。
ブランド価値の社会的価値は、単に商品やサービスの提供に留まらず、社会的責任や持続可能性に焦点を当てることで、消費者との強い結びつきを生み出し、ブランドの長期的な成功に貢献します。
ブランドストーリーの重要性
ブランドストーリーは、ブランドが持つ核となるメッセージや価値観を物語化したものです。その重要性はいくつかの点にあります。
顧客との共感を促進する
ブランドストーリーは、顧客とブランドの間に共感やつながりを生み出す役割を果たします。人々はストーリーに感情的に共感し、自分自身をそのストーリーに結びつけることができます。これにより、顧客はブランドに忠誠心を持ち、そのストーリーをサポートすることがより自然になります。
差別化と競争力の向上
ブランドストーリーは、他の競合ブランドとの差別化を図るための重要な要素です。独自のストーリーを持つことで、ブランドは他とは異なるアイデンティティや価値観を示し、顧客の心に残る印象を与えることができます。
ブランドの信頼性と認知度の向上
良く構築されたブランドストーリーは、ブランドの信頼性や認知度を向上させる効果があります。顧客はブランドが自分の価値観や信念に合致していると感じることで、そのブランドに対する信頼を高め、より良い関係を築きます。
長期的なブランドビジョンの伝達
ブランドストーリーは、ブランドの長期的なビジョンや目標を伝える手段としても機能します。顧客はブランドが持つビジョンに共鳴し、その成長や進化に共に歩むことを望む傾向があります。
総じて、ブランドストーリーはブランドの核となる要素であり、顧客との関係を深め、ブランドの競争力を強化する上で不可欠な役割を果たします。
ブランドストーリーの作り方
ブランドストーリーを作る際には、以下の手順に従うと効果的です。
ブランドの核となる要素の特定
ブランドの始まりや背景、創業者のストーリーなど、ブランドの核となる要素を特定します。これには、ブランドの使命や価値観、独自性などが含まれます。
目標の設定
ブランドストーリーを通じて達成したい目標を設定します。顧客の共感やブランドの認知度向上、製品やサービスの差別化など、具体的な目標を明確にします。
ターゲットオーディエンスの理解
ブランドストーリーを作る際には、ターゲットオーディエンスのニーズや感情を理解することが重要です。顧客が求める価値や、彼らの共感を引き出す要素を把握します。
ストーリーの構築
上記の情報をもとに、ブランドストーリーを構築します。これには、登場人物や主題、物語の展開などを考慮します。ブランドの核となる要素を軸に据え、魅力的で説得力のあるストーリーを作ります。
感情的な共感を促進する
ブランドストーリーは感情的な共感を促進することが重要です。顧客がストーリーに共感し、自分自身をそのストーリーに結びつけることができるような要素を取り入れます。
誠実さと一貫性の確保
ブランドストーリーはブランドの本質や実績と一貫性があることが重要です。誠実であり、ブランドの信頼性を保つために、ストーリーは事実に基づいている必要があります。
視覚的な要素の組み込み
ブランドストーリーには、視覚的な要素も重要です。ロゴやデザイン、写真、ビデオなどを活用して、ストーリーを補完し、視覚的なインパクトを与えることができます。
コンテンツの展開
ブランドストーリーを顧客に伝えるための適切なチャンネルやプラットフォームを選択し、コンテンツを展開します。これには、ウェブサイト、ソーシャルメディア、広告、イベントなどが含まれます。
これらのステップを踏みながら、ブランドストーリーを作り上げることで、ブランドの独自性や価値観を伝え、顧客との強い絆を築くことができます。
ブランドストーリーを成功させるためのポイント
ブランドストーリーを成功させるためには、以下の具体的なポイントが重要です。
真実性と誠実さ
ブランドストーリーはブランドの実際の価値観や歴史に基づいていることが重要です。誇張や誤解を避け、顧客に信頼を与えるために真実性と誠実さを持たせましょう。
感情的な共感を促進する要素の組み込み
顧客がストーリーに共感し、感情的に関わることができる要素を取り入れます。登場人物の挑戦や成長、困難の克服など、人間的な側面を強調し、親しみやすさを醸成します。
ブランドの独自性と差別化を示す
ブランドストーリーは、ブランドの独自性や差別化を強調することが重要です。ブランドが他とは異なる理由や提供する価値を明確に示し、顧客の記憶に残るストーリーを作りましょう。
顧客のニーズに対する解決策を提供する
ブランドストーリーは、顧客のニーズや課題に対する解決策を提供することが重要です。顧客が自分自身をストーリーに投影し、そのニーズが満たされる可能性を感じることができるようなストーリーを作ります。
一貫性と連携
ブランドストーリーは、他のブランドコンテンツやマーケティング活動と一貫性を持つことが重要です。ブランドのメッセージやアイデンティティと連携し、統一されたブランド体験を提供します。
視覚的な要素の活用
ブランドストーリーには、視覚的な要素も重要です。写真、ビデオ、グラフィックなどを活用して、ストーリーを視覚的に魅力的に表現しましょう。
顧客との双方向の対話
ブランドストーリーは、顧客との双方向の対話を促進することが重要です。顧客のフィードバックや反応を受け入れ、ストーリーを柔軟に調整することで、顧客との関係を強化します。
これらのポイントを考慮しながら、ブランドストーリーを構築し、顧客との深い絆を築くことができます。
ブランドストーリーの活用で成功しているブランド
実際にブランドストーリーを活用して成功しているブランドの一例として、特に以下のブランドが挙げられます。
Apple
Appleは、製品だけでなく、ブランドストーリーにも重点を置いています。彼らのストーリーは、革新性、創造性、そしてシンプルさに焦点を当てています。スティーブ・ジョブズのビジョンや、Apple製品のデザイン哲学が、世界中の顧客に強い共感を呼び、忠誠心を築きました。
Dove
Doveは、美の定義を再構築することを目指して、ブランドストーリーを活用しています。彼らのストーリーは、リアルな美しさや自己受容を奨励し、女性の自信を高めることに焦点を当てています。その結果、Doveは多様性と包括性の象徴としての地位を確立しました。
LEGO
LEGOは、創造性や想像力を刺激するブランドストーリーを活用して成功を収めています。彼らのストーリーは、子供たちの遊びと学びの世界を形作ることに焦点を当て、家族やコミュニティとの絆を促進しています。
Ben & Jerry’s
Ben & Jerry’sは、社会的責任や公正な取引を重視するブランドストーリーを持っています。彼らのストーリーは、美味しいアイスクリームを提供するだけでなく、社会問題への取り組みや活動を通じて、世界を変えることを目指しています。
これらのブランドは、顧客の感情に訴えるストーリーテリングを活用し、真実性や誠実さを持ったブランドストーリーを展開することで、顧客との強い絆を築き、成功を収めています。
ブランドストーリーの継続的な改善は必要?
ブランドストーリーの継続的な見直しと改善は非常に重要です。以下にその理由をいくつかご紹介します。
市場の変化への適応
市場や顧客のニーズは常に変化しています。新しいトレンドや競合他社の動向に対応するためには、ブランドストーリーを定期的に見直し、必要に応じて改善する必要があります。
顧客のフィードバックへの対応
顧客からのフィードバックや反応を受け入れ、ブランドストーリーを調整することで、顧客の関与や忠誠心を高めることができます。顧客の声を聞き、ストーリーに反映させることは、ブランドの成長と成功に不可欠です。
ブランドの成長と進化
ブランドは成長し、変化し続けるものです。新しい製品やサービスの導入、新しい市場への進出など、ブランドの成長と進化に合わせてストーリーを調整することが重要です。
一貫性の確保
ブランドストーリーは、他のマーケティング活動やブランドコンテンツと一貫性を持つ必要があります。ブランドメッセージやアイデンティティとの連携を強化し、統一されたブランド体験を提供するために、ストーリーを定期的に見直す必要があります。
競合他社との差別化
競合他社との差別化を図るためにも、ブランドストーリーを定期的に見直し、他社との差を明確にする必要があります。新しいストーリーやアプローチを採用することで、ブランドの独自性を強調し、顧客の関心を引きつけることができます。
継続的な見直しと改善を通じて、ブランドストーリーは常に新鮮で魅力的なものとして顧客に伝わり、ブランドの成長と成功に貢献します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ブランドストーリーは、ブランドが自らのアイデンティティや使命を伝える上で欠かせない要素です。成功するブランドストーリーを構築するためには、いくつかの重要なポイントに焦点を当てる必要があります。
まず、ブランドストーリーは真実性と誠実さを持つことが肝要です。ブランドの核となる価値観や使命を正直に伝えることで、顧客との信頼関係を築きます。また、感情に訴えるストーリーテリングが重要です。顧客の心に響くストーリーを構築することで、ブランドへの共感や忠誠心を高めることが可能です。
さらに、ブランドの独自性や差別化を示すことも重要です。他社との違いやブランドの特徴を明確に伝えることで、顧客の関心を引き付けることができます。また、共感を呼ぶキャラクターや登場人物を活用することで、顧客がストーリーに共感しやすくなります。
一貫性と連携もブランドストーリーの成功に不可欠な要素です。ブランドの他のマーケティング活動やコンテンツと一貫したメッセージを伝えることで、顧客に統一されたブランド体験を提供することができます。
これらのポイントを踏まえながら、ブランドストーリーを構築し、顧客との深い関係を築き、ブランドの成功に寄与しましょう!
ここまでご覧いただきありがとうございます。
ブランディングについても解説しておりますので、お時間のある時にぜひご覧ください。